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遅咲き・大器晩成の人物になりたかったが創造性はもう枯れつつある。

路上に落ちた桜の花びら

創造性と年齢

昔から絵を描いたり曲や詩を書くのが好きで、カート・コバーンやジミ・ヘンドリックスのように有名になって27歳で他界するのが夢だったオレだが、何も達成出来ないまま40歳を迎えてしまった。

努力不足だっのもあるし、いろんなことに同時に手を出してしまったのもある。病気になって自分の世界に引きこもらざるを得なかったのが一番の敗因だった。著名になるにはメディアや人にアプローチする必要がある(バンクシーみたいな例は除く)が、精神世界に引きこもっていたオレにはそれが出来なかった。

勢いがあった若い時にSNSがあればエキセントリックなパフォーマンスをして拡散されたりもしたんだろうが、勢いを失ってネットが怖くなってしまった今はそんな事はもう出来ない。拡散されたい一方で、過度な拡散や炎上を恐れてもいる。

40にもなるとさすがに創造性も衰えてくる。創造性は子供が持つもの。創造性を保つためには子供心や純粋性を保つ必要があるが、社会に出たり普通の仕事をしたり、金のやりくりや日常的な手続きに追われてるうちに創造性は失われていく。

年齢と共に創造性が失われていくのは、脳の老化という生物学的な要因も当然あるのだろうが、社会に染まってしまう、染まらざるを得ないってのが何よりデカい。

すでに著名になったアーティストが同じような作品ばっかり出し続けるのは、脳の劣化というよりは、創造性の原動力である「認められたい」という衝動がすでに満たされてしまったからだろう。ローリング・ストーンズはお爺ちゃんになっても精力的にツアーをしているがオレはそういうのは「創造的」というよりは単に「活動的」とか「生産的」だと捉えている。老後に趣味で風景画を描き始めるみたいなのも同様。

すでに有名になり、中年になったにも関わらず新しいことをやり続けたジョン・レノンみたいなのはむしろ例外で、先天的な脳の構造と生い立ち、環境の組み合わせによって奇跡的にピュアな子供心を保ち続けられたのだろう。(社会やメディアに創造性を潰されないために拠点を移したりもしていた)

社長になって好き放題するならまだしも、普通の一般労働をしてれば創造性は自ずと潰れていく。日本はただでさえ抑圧的な風潮や過剰な敬語文化があるのに、ネット社会の今となってはさらに抑圧的になり、創造性を押し殺さずを得ない。

ネット上でだけ本当の自分を出すってのも、20代までならそれでもいいかもしれないが、30も過ぎればさすがに虚しくなってくる。

創造性と性欲

ネットもそうだが、AVや性欲によってオレの創造性は潰れていった。創造性と性欲はある種の関連性があるのだろうが、性欲に支配されるとさすがに創造的ではいられなくなってくる。AVを観るのはもう辞めようと思って「女優ビッグバン」という作品を作ったりもした。だが皮肉なことに創造性が高まると性欲も増強する。両方とも根元にあるのは「生きよう」「何かを残そう」「認められたい」「つながりたい」というエネルギーだ。

妄想と現実

オレがフルタイムの正社員になったことは一度もないのは、単にダメ人間だからなれなかったってのもあるが、社会に染まり切って創造性を失ってしまうことを恐れていたっていうのもあった。

今はいい歳してフードデリバリーなんていう、学生バイトのようなことをしてるがこの仕事は割と気に入ってる。稼働時間を自由に決められるし、嫌になったらすぐ辞められる。配達中に創作のアイデアを練ったり歌を歌ったり、季節の匂いを嗅いで純粋な気持ちになったりインスピレーションが沸いたりする。ゲーム感覚なところもあって、遊びながら仕事をしている。

もちろん接客中には本当の自分を隠して定型分みたいな対応をする必要があるが、一時だけで済むし、対面接客のない置き配案件も多い。

双極性障害の特徴として、躁状態になると酒を飲んだ時のように強気になって「世界を変えてやる!」みたいになり、特にネット上で強気な発言をして翌日冷静になると我に返って恥ずかしくなって弱気になったり鬱になるということがしょっちゅうある。

他人と関わる仕事をしてるとそういう強気な状態でいられなくなるので、それに伴って創造性もしょんぼりしてしまう。

だがフーデリの仕事の場合はそんな抑圧もほどほどで済むし、考えようによっては現実と妄想がほどよく調和されてむしろ結果オーライなのかもしれない。

社会から完全に隔絶されていると統合失調症が悪化し、妄想が肥大化していく。

一般労働をしてなければ創造的でいられるとも一概には言えず、周りみんなが普通に働いてるのに自分は働きもせずに好きなことだけやってるという罪悪感に苛まれたり、他人に対する共感性も失われていく。共感性なくして創造的でいるのは困難、あるいは不可能で、エネルギーが破壊的で非生産的な方向に向いてしまう。

創造性というのは社会を良くしたいとか、人間関係を円満にしたいとか、人に影響を与えたり褒められたいという所から発生するが、社会から孤立するとそれが歪んだ形となって表れる。

仕事をし始めて創作に割く時間がほとんどなくなってしまい、生活保護に戻りたくもなるがそれはそれで上述の通り非生産的な精神状態にもなりかねないし単純に生活があまりにも厳しい。

ほどほどに力抜きながら普通の仕事をして社会との接点をキープしつつ出来るだけ創作に時間を割くのが良さそうだ。

それにしてもオレはもう40だし、創造性も枯れてきたしさすがにもうダメかもしれないな。元々、画家のゴッホみたいに死後に評価されればいい、作品をこの世に残して早く他界したいっていう感じだったから今更成功を収めてもな。今オレが本を出版して何百万冊も売れたとしても大した感動もなく「まあ、普通。」みたいな感想しか抱かないだろう。もしそうなったとしてもフーデリの仕事はあえて続けて1日3件くらい配達するかもしれない。金のためではなく、社会と接点を持つために。

遅咲きは可能か

30手前で絵を描き始めて生前は絵が売れず、死後に評価されたゴッホのような遅咲き・大器晩成は他に誰がいたのかっていうのはウィキペディアや他のサイトを見ればリストアップされてるからこの記事では省略するが、中年期以降に創造性が花開いた人物もたくさんいるようだ。

スポーツはともかく、芸術関係、特に小説とかは人生経験や知識が必要だし、やっぱり20代の著者の作品って良くも悪くも青臭さが否めない。ロシアの文豪ドストエフスキーは20代でデビューしたが、最も有名な「罪と罰」は45歳だった。クラシック作曲家とかも中年期に一番輝いた人物も多々いるようだ。ただ、デビュー自体はもっと若いというパターンがほとんどだ。

絵画も、北斎の有名な作品はジジイになってからのやつが多い。しかしデビュー自体はやはりもっと若い。

スポーツでもゴルフとか射撃みたいなじじ臭い競技では3040代で輝くこともある。

アンパンマンの作者のやなせたか氏も一応漫画家の仕事自体には若い頃から就いてたようだが、アンパンマンで60代にしてついにヒット作を生み出した。

ポップミュージックでもスキャットマン・ジョン(Wikipedia)のように50代でメジャーデビューなんてこともある。

おれのお気に入りはハリーポッターの著者、J.K.ローリング氏で、彼女は30歳くらいのときに生活保護受けながらうつ病と闘いながら近所のカフェで執筆してたらしく、元生活保護受給者のオレも似た状況なので励みになる。オレの場合はポッター級の成功は無理だが。

早咲きだったけど現役時代が長かった人ならどの分野にもたくさんいるしスポーツでも野球なんかは40代現役も多い。テニスの伊達公子氏も引退後38歳くらいで現役に返り咲いた。ただ、彼らは前述のストーンズ同様、同じことを続けていただけで新しいことをする創造性があったわけではない。

ただやっぱりデビューそのものが中年期以上ってのは厳しいのかもしれない。そもそも、若い頃にデビューし損ねたら普通に働かなきゃいけなくなるからオレもそうだけどやる気がなくなってくる。ゴッホや少し前のオレみたいに他の仕事をせずに仕送りや社会保障を受けるでも無い限りは。

ただ、今はSNSとかネット広告などの便利ツールがあるから、長らく日の目を見なかった才能を遅ればせながら開花することは十分可能だろう。

60代でパソコンを学んで80歳でアプリを開発して話題を呼んだ若宮正子氏のような例もある

今は「30歳でようやく成人する時代」とも言われている。

オレはちょっと動き出すのが遅すぎたし、いろんなことに手を出したり時間配分を見誤ってしまった。普通の仕事も始めて年をとって時間も覇気もなくなってきてしまった。

創作に打ち込んでないと死にたくなるのでとりあえずやれる範囲で創作は続けていく。

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