スキップしてメイン コンテンツに移動

はやく音楽を卒業したい

卒業証書

おれは音楽が大好きなんだけど、その一方で憎悪の念も抱いている。

好きなことを仕事にした途端に嫌になったという、よくあるストーリー。

音楽の作り手として音楽が嫌いになってくる要因は、

・稼げない
・自称インフルエンサーによる宣伝代行の勧誘(音楽とカネの問題)
・他人の曲を演奏するだけなのにフォロワーたくさんいる人たち(特に見た目がいい女性)を見てるともう音楽作るのが馬鹿らしくなってしまう
1曲完成させるのに思いのほか時間がかかる
・単純に音楽というものに飽きた
・AVを見たり不細工な顔で鼻をほじりまくったりでっかい屁をこいてるのにSNSでカッコつけてグラサンしてペルソナ作るのがめんどくさくて虚しい
・SNSで宣伝目的でイイネし合うのがダルい。動画を再生もせずにイイネしてくる馬鹿が多くて音楽どころか世界が嫌いになってくる

などが挙げられる。

とにかく努力や時間に対する報酬が割に合わなすぎる。がんばって1から曲作って、綺麗に録音して、編集して、想像以上に時間のかかるイコライジングやミキシングをして、アートワーク更には動画まで作って、それでどれだけ稼げるんだって話で、大抵の場合はかなり馬鹿げた収入しかない。

楽曲提供とか、作曲家として仕事を受注するようなスタイルなら稼げるのかもしれないが、そういう方向性はまったく興味がなくてオレには不向きだと本能的に感じてもいる。おれはただ単に、子供を作る代わりに自分のオリジナル作品をこの世に残してさっさと寿命を迎えて、永遠に生きることしか興味がなかった。

受注作曲の仕事も、クラウドソーシング系の案件はプログラミング系やデザイン系なんかと比べると圧倒的に少ない。音楽なんてもうあんまり需要ないんだな。曲なんてネット上にくさるほど溢れてるし、ループ素材も溢れてて、新しく1から作るのが馬鹿馬鹿しくなってくる。今後は作曲の仕事もかなりの部分、AIに取って代わられていくだろう。

音楽そのものを売るというより、映画やゲームなど、他の稼げるコンテンツのオマケとして音楽を付けるスタイルなら稼げるだろう。音楽だけではダメ。まあハッキリ言ってエロがいちばん手っ取り早い。アイドルやテイラー・スイフトもまずはエロがあって、そのオマケとして音楽がある。フォロワーがいっばいいる見た目がいい女性のギタープレイ動画も、オレや他の視聴者のほとんどはエロ目線でしか見てなくて、演奏や音楽には興味がない。

しかしゲーム音楽などもコスト削減も兼ねてどんどんAIに取って代わられるだろう。

音楽は制作に時間がかかりすぎる。音楽制作の場合、明確なゴールが無く、それがオレにとっては苦痛すぎる。音作りをやり出すとやめどころが分からない。一旦OKだと思った後で「もうちょっと4khz辺り下げよっかな」とか細かい所が気になって気になってしょうがなくなってくる完璧にやろうとするか、思いっきり手抜きするかのどっちかしか出来ない。

作曲とミックス作業はもう全く別の職業だから自分自身は作曲だけして、あとは全部プロデューサーやエンジニアやAIに丸投げしたいが彼らに払う金も無いし、AIもまだ発展途上だ。

人と協力して分担作業すべきなんだろうけど、共同作業というものが大の苦手だ。かといって一人でなんでもやろうとしても時間も無いし、時間があっても性格的に絶対にひとつの作品を最後までやり通せない。作業の続きをやろうと頭では考えてても、心と体がついていかない。めんどくさくて眠くなる。不可能だ。

質より量を取って、アコギ一本と歌だけでパパッと仕上げて弾き語り動画をやるのが一番向いてるのかもしれない。ベースやリズムパターンも、凝りすぎなければ2日で作り上げられる。最初の衝動期を過ぎちゃうともう飽きちゃうので、飽きる前に仕上げられるように工夫しなくてはいけない。

Spotifyとかの楽曲配信は"音楽のみ"のコンテンツで、音作りのクオリティの低さを誤魔化すことが出来ないから本来ならやるべきではなかったのかもしれない。YouTubeやインスタ、TikTok限定でやるべきだったんだろう。動画にすることで、音質などのクオリティの低さをカモフラージュ出来る。

そのインスタやらで社交辞令的なフォロー/フォローバック作業をするのがこれまた苦痛すぎる時間。

そして投稿する度に寄ってくる、他人が作った音楽で一儲けしようと必死な宣伝代行業者ども。音楽をやるのはセラピー効果も兼ねてるのだが、欲望に汚染されたブタ共を見てると音楽辞めたくなってくる。

こんな感じで音楽が嫌いになりそうだから、あと1年くらいしたら音楽活動からは足を洗ってお気に入りの曲を聴くだけの人になろう思う。音楽自体は大好きなんだがね、それだけに大嫌いにもなり得る。

ロゴデザインも時々やってるけどあれも本業にしたら嫌になってくるんだろうな。

2024年8月追記: 結局、ときどき音楽から離れつつも卒業はせずに続けてきた。リスナーとしても音楽にはもう飽きてたが、去年から始めたフードデリバリーの配達中に聴く為にSpotifyでいろいろ検索したりプレイリスト作ったりして久しぶりに音楽を楽しんではいる。なんだかんだ言っても音楽は一番好きなことの一つだった。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pick Up
©Hiro Kinohara
Powered by Blogger